0076Backlash
ジャーニーとザ・ベイビーズが合体して生まれたスーパー・グループ、バッド・イングリッシュの2ndにしてラストのアルバム。レコーディング・メンバーは1stと同じく、ニール・ショーン(gt)、ジョナサン・ケイン(key)、ジョン・ウェイト(vo)、リッキー・フィリップス(ba)、ディーン・カストロノヴォ(ds)。プロデュースはSurvivor、Heart、Kissなどのアルバム制作で著名な売れっ子プロデューサー、ロン・ネヴィソンが担当しています。ロン・ネヴィソンはザ・ベイビーズでも2枚のアルバムをプロデュースしており、彼の起用はジョン・ウェイトにとっては旧知の間柄という事情もあったのでしょう。

楽曲については、前作に引き続いてジョン・ウェイトとジョナサン・ケインがライティングの中心となり、加えてまたもやキラ星のごとく名だたるヒットメーカーが共作者として名を連ねています。前作でも参加していたダイアン・ウォーレン(Diane Warren)、マーク・スピロ(Mark Spiro)の2人のほか、ラス・バラード(Russ Ballard)、ジェシー・ハームス(Jesse Harms)、ティム・ピアース(Tim Pierce)がクレジットされています。バッキング・ボーカルにはマーク・スピロ自身と、Airplayなどで有名なAOR系シンガーのトミー・ファンダーバークが加わっています。

このように、大ヒットした前作をさらに上回るべくプロダクション、ソング・ライティング両面において万全のラインナップで制作され、メジャー感バリバリのアルバムなのですが、なんとなく勢いのないサウンドとなってしまっている印象が否めません。セールス的にも前作に遠く及ばず、チャートの動きもアルバム、シングル共に鈍く、バンドにとって不本意な結果となってしまいました。このアルバムのレコーディング時期にはメンバー間の軋轢、とくにジョン・ウェイトとニール・ショーンの確執が相当深刻なものとなっていたようで、そのことが完成したアルバムに悪い形で影響を与えているのかもしれません。このバンドはやはりザ・ベイビーズの形を変えた再始動という色合いが濃く、ニール・ショーンは脇役に甘んじることができなかったのでしょう。アルバムがリリースされた頃にはすでに、ニール・ショーンとディーン・カストロノヴォはバンドを脱退しており、ほどなくバッド・イングリッシュは解散してしまうことになります。

リリースから20年以上経過し、バッド・イングリッシュ解散後のメンバーそれぞれの行く末を知った上で、改めてこのアルバムを聴きなおしてみると、それなりに佳曲揃いだし、ジョン・ウェイトの歌唱も悪くはありません。華やかな80年代の終わりに登場し、混沌とした90年代に突入する時代の渦の中で消え去ったスーパー・グループ、バッド・イングリッシュ。「つわものどもが ゆめのあと」というフレーズを何故か思い出してしまう、そんなアルバムです。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
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■Tracks
01. So This Is Eden (John Waite, Jonathan Cain, Russ Ballard)
02. Straight to Your Heart (John Waite, Neal Schon, Jonathan Cain, Mark Spiro)
03. Time Stood Still (John Waite, Ricky Phillips, Jesse Harms)
04. The Time Alone With You (John Waite, Diane Warren, Jonathan Cain)
05. Dancing off the Edge of the World (John Waite, Jonathan Cain, Neal Schon)
06. Rebel Say a Prayer (John Waite, Jonathan Cain, Russ Ballard)
07. Savage Blue (John Waite, Jonathan Cain, Neal Schon)
08. Pray for Rain (John Waite, Mark Spiro, Jonathan Cain)
09. Make Love Last (John Waite, Jonathan Cain)
10. Life at the Top (John Waite, Jonathan Cain, Mark Spiro, Tim Pierce)

■Personnel
John Waite - lead vocals
Neal Schon - guitars
Jonathan Cain - keyboards, background vocals
Ricky Phillips - bass, background vocals
Deen Castronovo - drums, background vocals

Mark Spiro - background vocals
Tommy Funderburk - background vocals

Producer - Ron Nevison