0074Foreigner
元Spooky Toothのミック・ジョーンズ、元King Crimsonのイアン・マクドナルド、元IFのデニス・エリオットの英国勢と、エド・ガリアルディ、アル・グリーンウッド、そして元Black Sheepのルー・グラムの米国勢が結集して作られた英米混成バンド、フォリナーのデビュー・アルバム。このバンド、当時は「スーパーグループ」として喧伝されました。しかしメンバーの出身バンドを見ても、King Crimsonは確かに超有名グループですが、Spooky Tooth、IFはそれほど知名度は高くないし、Black Sheepに至ってはほとんど無名と言ってもいいぐらいでしょう。筆者はなんでこれで「スーパーグループ?」という感想を抱いたこと覚えています。

フォリナーの楽曲やサウンドについてはいまさら多く語ることはないと思いますが、適度にハードで適度にポップ、そして耳にすぐ馴染むメロディが特徴のメロディアス・ハードロック(当時そういう言葉は使われていなかったと思いますが)。超絶プレイヤーのインプロヴィゼイションを看板にするのではなく、あくまで楽曲の良さと歌唱の確かさで勝負するタイプの音です。現在英米のロックシーンではこういった音が大衆性を持つことができない奇妙な時代ですが、当時は当たり前のようにバカ売れしました。全米で300万枚(現在までの累計500万枚)を売り上げ、アルバム・チャートは4位を記録しています。

筆者にとっては、このバンドの最大の魅力はルー・グラムのボーカルにあります。彼の出身バンドBlack SheepのLPを2枚とも持っていたのでルー・グラムの歌の上手さを知っており、フォリナーは彼つながりで聴くことになったからです。Black SheepはFreeの影響をモロに受けたバンドで、英米のサウンドの違いが大きかった当時、ちょっとアメリカのバンドとは思えないサウンドでした。もちろん、ルー・グラムのボーカルはポール・ロジャースの模倣からスタートしたことが窺えるもので、若いのにすでにいぶし銀のごとく味わい深いものでした。フォリナーでのルー・グラムの歌唱は、FreeよりもBad Companyでのポール・ロジャースを思わせるものですが、やはり一級品の素晴らしさだと思います。

なお、プロデューサーの一人ゲイリー・ライオンズは、特にハードロック系のアルバムのプロダクションで頻繁にクレジットされている仕事人です。このアルバムに近い時期では、Lone StarのFiring on All Six (1977)のプロデューサー兼エンジニア、TrillionのTrillion (1978)のプロデューサー、AerosmithのNight in the Ruts (1979)のプロデューサー兼エンジニアといったところです。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作 
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Feels Like the First Time (Mick Jones)
02. Cold as Ice (Mick Jones, Lou Gramm)
03. Starrider (Mick Jones, Al Greenwood)
04. Headknocker (Lou Gramm, Mick Jones)
05. The Damage Is Done (Mick Jones, Lou Gramm)
06. Long, Long Way from Home (Mick Jones, Lou Gramm, Ian McDonald)
07. Woman Oh Woman (Mick Jones)
08. At War With the World (Mick Jones)
09. Fool for You Anyway (Mick Jones)
10. I Need You (Lou Gramm, Mick Jones)

■Personnel
Lou Gramm – lead vocals
Mick Jones – lead guitar, vocals
Ian McDonald – guitars, keyboards, horns, vocals
Al Greenwood – keyboards, synthesizers
Ed Gagliardi – bass, vocals
Dennis Elliott – drums

Ian Lloyd – backing vocals

Producer - Gary Lyons, John Sinclair (collaboration with Mick Jones, Ian McDonald)