メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。

Pure / 24K (2000)

0027Pure

ヴォン・グルーヴのムラデン、タラス(ミスター・ビッグのビリー・シーンのバンド)のフィル・ナーロが組んだメロディアス・ハードロックのプロジェク トの1st。ライナーを読むと、実はこの2人は、ヴォン・グルーヴ結成以前の1987年頃24Kというバンド名を名乗って、地元カナダで活動していた時期があったそうです。そして、凄腕プロデューサーのエディ・クレイマーとともにデモテープ制作まで至ったのに、結局アルバムとして陽の目をみないまま24Kは解散してしまいました。月日は流れ、それぞれにキャリアを積んだ2人が、久しぶりに24Kを復活させて制作したアルバムが、このPureというわけです。

ハー ドでメロディアス、そしてなんだか掴みどころがないというか、ややひねりが効いているというのは、やはりヴォン・グルーヴに似ています。1曲だけゲスト参加したビリー・シーンが凄まじいベースを聴かせる"Black Sheep Of Society"、サビのメロディがどこか懐かしい"Standing In The Middle"、エアロスミスっぽい"The Gypsy In Me"など、曲調はバラエティ豊かで飽きさせません。筆者のお気に入りは、擬似ライブを演出した"After The Show"。「ショーが済んで、音楽が終わり明かりが消えたら、愛し合おう」みたいな、ロマンチックというか、フザケた歌詞が哀愁のメロディに乗って歌われていて最高です。作曲はムラデンとフィル・ナーロですが、"Surrender (In The Name Of Love)"だけ、KISSのピーター・クリスとの共作になっています。ナーロが一時期ピーター・クリスのソロ活動に加わっていた関係からだと思います。なお、"The Gypsy In Me"と"Masquerade"の2曲のみ、ギターソロはムラデンではなくスラヴ・シマニックとなっています。旧ユーゴのセルビア生まれのカナダ人で、 彼のソロ・アルバムにはフィル・ナーロも参加しています。ムラデンは同じ旧ユーゴ、クロアチア生まれのカナダ人、これも何かの縁でしょうか。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Black Sheep Of Society (Mladen, Phil Naro)
02. Standing In The Middle (Mladen, Phil Naro)
03. Meeting This Way (Mladen, Phil Naro)
04. Surrender (In The Name Of Love) (Mladen, Phil Naro, Peter Criss)
05. The Gypsy In Me (Mladen, Phil Naro)
06. Broken Promises (Mladen, Phil Naro)
07. After The Show (Mladen, Phil Naro)
08. Call Out To Me (Mladen, Phil Naro)
09. Now's The Time (Mladen, Phil Naro)
10. Masquerade (Mladen, Phil Naro)
11. Stone Heart (Mladen, Phil Naro)

■Personnel
Phil Naro - Vocals
Mladen - Guitars, Keyboards, Harp

Billy Sheehan - Bass

Roger Banks - Drums
Stan Miczek - Bass
Chris Sevdalis - Keyboards
Omar Davis - Keyboards
Slav Simanic - Additional guitar

Producer - Mladen

Gotthard / Gotthard (1992)

0026Gotthard

スイスの誇るハードロック・グループ、ゴットハードの記念すべきデビュー・アルバム。スイスでは彼らのアルバム全てがチャート1位を獲得するなど、国民的人気を獲得していたようです。筆者は彼らを、ツェッペリン、パープル、ユーライア・ヒープ、レインボー、ホワイトスネイクといった70年代ブリティッシュ・ハードロックの、もっとも忠実な後継者の一つと捉えています。ハードポップやAOR的要素はほとんどなく、狭義の「メロハー」にくくるのはどうかと思いますが、ハードかつメロディアスなサウンドということではどうしても取り上げたいバンドなのです。

このアルバムは1992年リリースということですから、すでに20年以上が経過しているわけですが全く古臭さを感じさせない。そして、1stアルバムにしてこの完成度というのは驚かされます。かっこいいリフ、起伏に富んだメロディアスなヒラウタ、ストップの後の待ってましたのサビ、そしてトドメのギター・ソロ、ハードロックの魅力の全てがここにはあります。1曲目の"Standing In the Light"から興奮しっぱなしになります。"Angel"、"All I Care For"なんていう、お約束のような泣かせバラードの名曲もしっかり入っています。パープルのヒット曲"Hush"のカバーも良い出来です。

故スティーヴ・リーのボーカルは、デビュー・アルバムにして既に貫禄さえ感じさせます。ロバート・プラント、デヴィッド・カヴァーデイル、ロニー・ジェイムス・ディオといったボーカリストたちの良いところを総合したような、ハードロックの最も良き歌い手の一人だと思います。2010年のバイク事故死が本当に悔やまれてなりません。レオ・レオーニのギターはオーソドックスながらハードロックのツボを心得ているし、マーク・リンとヘナ・ハーベッガーのリズム隊は手堅くゴットハードの屋台骨を支えています。いやー、実にいいバンドだと思います。ベタほめです。

プロデュースのクリス・フォン・ローアは、スイス・ハードロックの先駆者クロークスのメンバーです。ゲストの参加ミュージシャンは、まず、元ディオ、ホワイトスネイク、現デフ・レパード、シン・リジィのヴィヴィアン・キャンベルが2曲ギターを弾いています。パット・レーガンは、クワイエット・ライオットやドロ、ブラックモアズ・ナイトなど多くのセッションに参加しているキーボード奏者。もう一人のキーボード、ニール・オトゥパッカは、ゴットハード結成以前スティーヴ・リーと共にフォーセールというグループのメンバーだったプレイヤーです。

なお、2009年に再発された国内盤には、ボーナス・トラックとして"Downtown"のライヴ・バージョンが追加収録されています。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Standing In the Light (Leoni, Lee)
02. Downtown (Leoni, Lee)
03. Firedance (Leoni, Lee, von Rohr)
04. Hush (South)
05. Mean Street Rocket (Leoni, Lee, von Rohr)
06. Get Down (von Rohr, Mauser)
07. Take Me (Leoni, Lee)
08. Angel (Leoni, Lee)
09. Lonely Heartache (Leoni, Lee)
10. Hunter (Leoni, Lee)
11. All I Care For (Leoni, Lee)
12. "That's It" (Leoni, Habegger)

■Personnel
Steve Lee – vocals
Leo Leoni – guitars, vocals
Marc Lynn – bass
Hena Habegger – drums

Vivian Campbell - lead guitars on Tracks 03 & 06
Neil Otupacca – keyboards
Pat Regan – keyboards

Producer – Chris von Rohr



Harlan Cage / Harlan Cage (1996)

0025Harlan Cage

1985年にアルバムを1枚残して消えたフォーチュンというメロハー/AORグループがいました。何故かメロハー業界には「フォーチュン」と名乗るバンド が多いのですが、アメリカのバンドで、やや有名なほうのフォーチュンです。そのフォーチュンのメンバーだったL.A.グリーンとロジャー・スコット・クレイグの2人が再び組んだユニットがハーラン・ケイジで、これは彼らの第一作のセルフタイトル・アルバム。曲調は「哀愁」一色です。誇張でもなんてもなく、 最初から最後まで全曲がセンチメンタルな声で歌われる哀愁のメロディです。哀愁のメロディ、もちろん大好きなのですが、多少のテンポやアレンジの違いはあってもここまで同じカラーの曲が詰め込まれるとさすがにお腹一杯になります。一曲一曲はいいのですが、アルバム通しはキツイ。。。全然OKという方ももちろんいるでしょうが、筆者としては、もう少しバリエーションが欲しいというのが正直なところです。

このアルバムは、ゲスト・ギタリストが参加して素晴らしいプレイで彩を添えているのがうれしい聴き所です。ネルソンやデレク・シェリニアンのアルバムでプレイしていたブレット・ガースド、それからビリー・リースギャング(ライスギャング)とマイケル・ターナー、この2人はロジャー・スコット・クレイグとともに101 Southでもプレイしています。またビリー・リースギャングとロジャー・スコット・クレイグは、80年代にNina Hagenのバックを勤めていたこともあり旧知の間柄のようです。ギタリストではありませんが、ピアノでスティーヴ・ポーカロなんていう名前もクレジットされています。ところで、ゲスト・ギタリストの一人Ron Anielloというのは、あの有名なプロデューサーのロン・アニエロ本人?同名異人?

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Pay the Devil His Due (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
02. 98 in the Shade (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
03. One Naked Kiss (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
04. Three Nights Running (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
05. Wires and Chains (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
06. Kiss of Fools (Tom Whitlock)
07. Destiny (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
08. Run Rebel Run (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
09. Too Much (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
10. Sweet Salvation (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
11. Takin' Out the Trash (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
12. Silver Wings (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
13. Let it Rain (L. A. Greene, Steve Porcaro)

■Personnel
L. A. Greene - Lead Vocals, Guitars
Roger Scott Craig - Keyboards, Vocals

Richie Onori - Drums
Brian Peters - Bass, Vocals
Michael Langlan - Lead Guitars

Ron Aniello - Guitars on "Sweet Salvation", "Kiss of Fools"
Bobby Robles - Guitars on "Run Rebel Run"
Brett Garsed - Guitars on "Let it Rain", "Wires and Chains"
Mike Turner - Guitars on "Three Nights Running", "Takin' Out the Trash"
Billy Liesegang - Guitars on "Destiny", "Silver Wings"
Steve Porcaro - Piano on "Let it Rain"

Producer - Harlan Cage


Screw It! / Danger Danger (1991)

0024Screw It!

デンジャー・デンジャー2ndアルバム。1stと基本的に路線は同じですが、楽曲の水準がぐっと向上した上、アンディ・ティモンズ正式加入後の録音なので 彼のスリリングなギターが全面にフューチャーされ、バンドのレベルがアップしたように感じます。ハードでメロディアスな"Beat the Bullet"、デンジャー・デンジャーのイメージにぴったりのハードポップ"Don't Blame It on Love"、アコギを入れてややレイドバックした"Comin' Home"、メタリックなスピード・チューン"Horny S.O.B."などなど、名曲・佳曲がずらりとならんでいます。ただし、訳の分からないラップやら、本職ポルノ女優のあえぎ声やら、悪ふざけの度が強まって、アルバムの印象が散漫になってしまったのが残念。曲数が17曲と多いのですが、イントロや曲間の小芝居とパーティロック調の曲を1~2曲カットした ら、もっと密度の濃いアルバムになったのではないでしょうか。まあ、そういう時代だったということでいたし方ありませんが。

アンディ・ ティモンズ以外のメンバーは1stと同じく、テッド・ポーリー(Vo)、ブルーノ・ラヴェル(Ba)、スティーヴ・ウエスト(Dr)、ケイシー・スミス (Key)。なお、エクストリームのゲイリー・シェローン、ヌーノ・ベッテンコート、パット・バッジャーがバッキング・ボーカルでクレジットされていま す。

※2014年に最新リマスター盤が出ました。従来の日本盤17曲に加え、"Groove Or Die"(シングル"Monkey Business"B-side)、"Boys Will Be Boys"(シングル"I Still Think About You"B-side)が収録されています。元々はプロモーション用5曲入りライヴ・アルバムDown And Dirty Live! (非売品)に収められていたものです。同時に発売された1stDanger Danger リマスター盤には"Bang Bang"、"Naughty Naughty"、"Rock'n'Roll Hoochie Koo"が収録されており、これで入手困難だったDown And Dirty Live! の全曲揃うことになります。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Ginger Snaps (Intro)
02. Monkey Business
03. Slipped Her the Big One
04. C'est Loupé (Prelude)
05. Beat the Bullet
06. I Still Think About You
07. Get Your Shit Together
08. Crazy Nites
09. Puppet Show
10. Everybody Wants Some
11. Don't Blame It on Love
12. Comin' Home
13. Horny S.O.B.
14. Find Your Way Back Home
15. Just What The Dr. Ordered [Borus Track for Japan]
16. Yeah, You Want It!
17. D.F.N.S.

■Personnel
Ted Poley - lead & backing vocals
Andy Timmons - electric & acoustic guitars, backing vocals
Bruno Ravel - 4 & 12 string basses, cello, backing vocals
Steve West - drums, out of tune vocals
Kasey Smith - keyboards

Gary Cherone - backing vocals
Nuno Bettencourt - backing vocals
Pat Badger - backing vocals
Ginger Lynn - voice
Eddy Conard - percussion

Producer - Bruno Ravel, Steve West
Co-Producer - Erwin Musper



Rescue You / Joe Lynn Turner (1985)

0023Rescue You

1984年のレインボー解散後、ジョー・リン・ターナーが初めて制作したソロ・アルバム。レコーディング参加メンバーは、元フォリナーのアル・グリーンウッド、元スターズで数多くのメロハー/AOR系のセッションをこなしているボビー・メッサーノ、ジョーとはファンダンゴ、レインボー時代の僚友であるチャック・バーギ。プロデュースにあたったのは、クィーン、ジャーニー、フォリナー、チープトリックと超メジャーどころの仕事で知られるロイ・トーマス・ベイカー。できたのは予想通り80年代の香りがプンプンする、装飾的なキーボードが前面に出たハード・ポップ。しかし、元レインボーという肩書きがあっても、ロイ・トーマス・ベイカーという超大物がプロデュースしても、あざといまでにゴージャスな80年代的流行を取り入れていても、意外にもこのアルバムは大して売れなかったようです。しかし、時代が一巡りして聴くと中々にいいアルバムですよ、これは。ジョー・リン・ターナーはどんな曲でもソツなく歌いこなしますが、やはりなんだかんだ言っても、ハード・ポップ/メロハーを歌わせると断然ハマります。どの曲も平均点以上の出来だし、バッキングを務める強者たちの演奏も当然ながら手堅い。さすがに名盤とまでは言えませんが、ジョーの関わった作品の中では外すことのできない一枚だと思います。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Losing You (Turner, Greenwood)
02. Young Hearts (Turner, Greenwood)
03. Prelude / Endlessly (Turner, Newman)
04. Rescue You (Turner, Greenwood)
05. Feel the Fire (Turner, Greenwood)
06. Get Tough (Turner, Delia)
07. Eyes of Love (Turner)
08. On the Run (Turner, Greenwood)
09. Soul Searcher (Turner, Greenwood, Newman)
10. The Race Is On (Turner, Greenwood)

■Personnel
Joe Lynn Turner – vocals
Alan Greenwood – keyboards
Chuck Burgi – drums
Bobby Messano – guitars, bass, backing vocals

Producer – Roy Thomas Baker


記事検索
カテゴリ別アーカイブ
プロフィール

トンキチ

タグクラウド
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ