メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。

Zeno / Zeno (1986)

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ジーノはジーノ・ロートを中心にしたドイツのメロディアス・ハードロック・グループです。ギターのジーノ・ロートは、元スコーピオンズのギタリストである ウリ・ロートの弟、ベースのウレ・リトゲン(現フェア・ウォーニング)はジーノ・ロートの幼馴染で、ウリ・ロートのエレクトリック・サンでもベースを担当 しています。この二人に、ボーカルのマイケル・フレクシグが加わり、ジーノは結成されました。彼らのデモ・テープには複数のメジャー・レーベルが興味を持 ち食指を動かしたようですが、最終的に、100万ドルというドイツのバンドとしては破格の契約金でEMIとレコーディング契約を結び、1986年に本作がリリースされました。

3人のメンバー以外でレコーディングに起用されたミュージシャンでは、元コックニー・レベルで、アラン・パーソンズ・プロジェクトやケイト・ブッシュとのレコーディングで知られるスチュワート・エリオット(Dr)、元レインボー組のチャック・バーギ(Dr)とドン・ エイリー(Key)、そしてバッキング・ボーカルのクリス・トンプソン(Manfred Mann's Earth Band)が有名どころでしょう。プロデュースには、バンドとともにテリー・マニングがクレジットされています。プロデューサー、エンジニアとして、ツェッペリン、ZZ Topなど多くのアーティストと仕事をしてきたベテランです。ただし、ライナーによるとレコーディング途中で降りてしまい、ジョン・マサイアスが仕事を引 き継いだようです。ジョン・マサイアスはマノウォーなどのプロデュースをしている人ですが、このアルバムではアソシエイト・プロデューサー、エンジニア、ミキサーとしてクレジットされています。なお、今回取り上げたCDは、ジーノ・ロート自身によってリマスターされ、デモ音源を5曲追加収録して再発された ものです。

このアルバムは日本のメロハー・ファンの間では名盤中の名盤、傑作中の傑作として絶賛され続けてきました。確かに、他の HR/HM系のグループとは一線を画する唯一無二の美しいメロディは神々しいまでです。しかし、その神々しさに疲れるというか。。。ヨーロッパ的な、あるいはクラシック音楽的なメロディというものに、筆者はそれほど感応しにくいようです。マイケル・フレクシグのハイトーンボイス、ジーノ・ロートのギターはもちろん、全体に高音成分が多いこと、音に隙間がないこと、残響音が深すぎること、これらが重なってどうしても耳が疲れてしまうのです。ジーノさん、ごめ んなさい。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

01. Eastern Sun (Zeno Roth)
02. A Little More Love (Ule Winsomie Ritgen)
03. Love Will Live (Zeno Roth)
04. Signs On The Sky (Zeno Roth)
05. Far Away (Zeno Roth)
06. Emergency (Zeno Roth, Ule Winsomie Ritgen)
07. Don't Tell The Wind (Zeno Roth)
08. Heart On The Wing (Zeno Roth)
09. Circles Of Dawn (Zeno Roth)
10. Sent By Heaven (Zeno Roth)
11. Sunset (Uie Winsomie Ritgen)
※bonus tracks
12. Don't Count Me Out (Zeno Roth)
13. Signs On The Sky [Earlier Version[
14. Far Away [Earlier Version[
15. Don't Tell The Wind [Earlier Version[
16. Love Will Live [Earlier Version[

■Personnel
Zeno Roth - All Guitars, Harmony Vocals
Michael Flexig - Lead & Harmony Vocals
Ule Winsomie Ritgen - All Basses, Harmony Vocals

Stuart Elliot - Drums, Percussion
Chuck Burgi - Drums on "Eastern Sun"
Rudy Kae - Drums on "Circles Of Dawn"
Carl Marsh - Keyboards
Don Airey - Keyboards
Chris Thompson - Background Vocals
Martin Jay - Background Vocals
John 'Puk' Quist - Background Vocals
David Austin - Background Vocals

Producer - Terry Manning & Zeno

Wildlife / Wildlife (1983)

0031Wildlife

元フリー、バッド・カンパニーのサイモン・カーク(Dr)が、後にFMを結成するスティーヴ・オーヴァーランド(Vo)とクリス・オーヴァーランド (Gt)、さらにフィル・スーサン(Ba)、マーク・ブーティ(Key)と組んだワイルドライフの唯一のアルバム。プロデュースはバドカンのミック・ラルフス、リリースはレッド・ツェッペリンのSwan Songレーベルからです。フリー、バドカン好きの筆者はサイモン・カークの新バンドと聞いて当時LPを買ったクチですが、これが中々の好盤です。

音のほうは明らかにオーヴァーランド兄弟が主導しているので、バドカンよりFMに近い、メロハー寄りの音です。ボトムの重いFMというイメージでしょうか。 ロックの基本は8ビートですが、サイモン・カークは変な言い方ですがその「基本」の名手です。派手なことは一切せず、やや後ノリ気味に、どっしりしたシンプルな8ビートを叩き続ける。このアルバムでも、シンプルだからこそ、頭でなく体で感じるロック・ミュージックならではグルーヴが生々しく伝わってきます。

スティーヴ・オーヴァーランドのボーカルは、この時点で既に出来上がっています。最初から上手すぎます。ブルースやR&Bからの影響が濃厚な、ソウルフルで渋い歌いまわしは、やややマイルドなポール・ロジャースという感じ。おそらくサイモン・カークがスティーヴ・オーヴァーラ ンドと組んだ理由は、彼がポール・ロジャース・スタイルのシンガーだからでしょう。クリス・オーヴァーランドのギターも、もしかしたら少しポール・コゾフ やミック・ラルフスを意識したのかもしれないと思わせるような、非常にシンプルながら味のあるプレイです。全体として、ゴテゴテしたデコレーションやギミックのない、80年代のハードロックとしては貴重なほど飾り気のないサウンドだと思います。シンプル・イズ・ベスト!

このアルバム1枚を残してバンドは解散、サイモン・カークはポール・ロジャース抜きでのバドカン再開、オーヴァーランド兄弟はFM結成、このころまだ駆け出しだったフィ ル・スーサンは、オジー・オズボーンなど数多くのアーティストとのセッションの仕事へと、メンバーはそれぞれの道を歩んでいくことになります。


評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Somewhere in the Night (Steve Overland, Chris Overland)
02. Just a Friend (Steve Overland, Chris Overland)
03. Surrender (Steve Overland, Chris Overland)
04. Charity (Simon Kirke)
05. One Last Chance (Steve Overland, Chris Overland)
06. Taking a Chance (Steve Overland, Chris Overland)
07. Haven't You Heard the News (Steve Overland, Chris Overland)
08. Midnight Stranger (Steve Overland, Chris Overland)
09. Rock and Roll Dreams (Steve Overland, Chris Overland)
10. Downtown Heartbreak (Steve Overland, Chris Overland)

■Personnel
Simon Kirke - drums, percussion, sax on "Charity"
Chris Overland - lead guitar
Phil Soussan - bass, backing vocals
Mark Booty - keyboards, backing vocals
Steve Overland - lead and backing vocals, guitar

Producer - Mick Ralphs

The Book Of How To Make It / Grand Illusion (2001)

0030The Book Of How To Make It

スウェーデンのメロハー・グループのデビュー・アルバム。と言っても、元々Promotionというグループ名で2枚のアルバムをリリースしているバンドが、改名して再デビューしたということなので、まったくの新人というわけではありません。ブックレットの写真を見ても新人でないことは一目瞭然。むさくる しく、ゴツいおじさん達(失礼)で、音とのギャップにクラっとします。ライナーノートによると、Promotionのそのまた前身はMark5というファンク・バンドで、Promotionもホーンセクションの入った編成でしたが、イギリスのメロハー・レーベルEscape Musicと契約するにあたってグランド・イリュージョンと改名、編成も音楽性も一新したとのこと。バンド・メンバーとしてクレジットされているのは、 ピーター・スンデル(Vo)、アンダース・リドホルム(Ba, Gt, Key)、ペール・スヴェンソン(Vo)、クリスチャン・スンデル(Dr)、オーラ・カールソン(Gt)、プロデュースはアンダース・リドホルムとなっています。

アルバムを聴くとその完成度の高さにまず驚かされます。長いキャリアを積んだグループならではの仕上がりだと感じました。ハイ トーン・ボーカルはどこまでも伸び、演奏も鉄壁で不安定さは微塵もありません。隅々まで気配りされたバンド・アンサンブル、分厚く複雑なコーラス・ワーク、劇的な曲展開、緩急のある曲配置、全てがパーフェクトです。80年代の超メジャーバンドのような華麗でゴージャスなサウンドは、このバンドが一部の好事家しか知らないマイナーな存在だということを忘れさせてしまいます。と、ここまで褒めておいて何ですが、筆者のこのアルバムへの好感度はそれほど高くあ りません。クイーン嫌いの筆者としては、まずこのような煌びやかでドラマチックでギミックの多いサウンドがそもそも好物ではないのです。メロハー系でいう と、ヴァレンタインとかディパーチャーとかもどうも苦手です。それから、肝心のメロディが心に残らない。何度聴いても歌メロが口ずさめないのです。筆者の耳か頭が悪いせいかもしれませんが。


評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Feeling Strangely Fine (Anders Rydholm, Ola Karlsson)
02. Don't Want To Know (Anders Rydholm, Ola Karlsson)
03. Boys Last Night Out (Anders Rydholm, Ola Karlsson)
04. Accidentally On Purpose (Anders Rydholm, Ola Karlsson)
05. The Book Of How To Make It (Anders Rydholm, Ola Karlsson)
06. Whatever (Anders Rydholm, Ola Karlsson)
07. 105 (And Running) (Anders Rydholm, Ola Karlsson)
08. Parachute (Anders Rydholm, Ola Karlsson)
09. The Desperate Man's Plea [bonus track] (Anders Rydholm, Ola Karlsson)
10. Dont Wait Up (Anders Rydholm, Ola Karlsson)
11. Crazy From The Heat (Anders Rydholm, Ola Karlsson)
12. The Hardest Part (Anders Rydholm, Ola Karlsson)

■Personnel
Peter Sundell - lead and backing vocals
Anders Rydholm - bass, guitar, keyboards
Per Svensson - lead and backing vocals
Christian Sundell - drums
Ola Karlsson - guitar

Stefan Leosson - guitar
Robert Vadadi - guitar
Per Thuresson - guitar

Producer - Anders Rydholm

The Name of The Rose / Ten (1996)

0029The Name of The Rose

イギリスのメロディアス・ハードロック・バンドTenの2ndアルバム。Tenのアルバムの中でも、名盤と評価する人が多いように見受けられます。筆者も、タイトル曲"The Name of the Rose"をはじめとして好きな曲が何曲も入っているのですが、評価はちと微妙です。前作と比べるとポップス的要素が減退し、よりハードロック色が強まったこと以外は、メロディアスで湿り気のあるブリティッシュ・ハードという基本路線は変わっていません。ゲイリー・ヒューズは相変わらず覇気のないカヴァー デイル状態だし、ヴィニー・バーンズも張り切りすぎのマイケル・シェンカーよろしく弾きまくっています。むしろ、その変わらなさ過ぎが微妙です。同じシンガーですから、歌いまわしが各曲似ているのは致し方ないとしても、歌メロそのものが1stと似ていて、まるで2枚組のアルバムを分割してリリースしたような印象を受けるのです。ポップさが薄くなった分曲調がますます似通った結果、通しで聴くと正直後半ダレてしまう。前作から1年も経たずに同じ年に2ndを リリースする必要があったのでしようか。それから、前作でもその兆しが見られた大作主義が、いよいよこのバンドの特徴となったようです。全13曲中、8分台の曲が2曲、7分台が2曲、6分台が2曲あります。複雑な構成で変化を持たせる訳でもなく、ただ無駄に曲が長い。筆者のようなコンパクトな楽曲を好むリ スナーにとっては、これはキツいです。

前作では正式メンバーは、ヒューズ、バーンズ、ベースのグレッグ・モーガンの3人でしたが、このアルバムではバンドメンバーとしてジョン・ハリウェル(Gt)、ジェド・ライランズ(Key)、シェリー(Ba)の3人が付け加えてクレジットされていま す。シェリー、ゲスト・キーボード奏者のブライアン・コックスは、バーンズ、モーガンとともにデアー(Dare)の元メンバーです。バック・ボーカルで1 曲参加しているジェイソン・サノスは、このアルバムの後もテンのアルバム、ゲイリー・ヒューズのソロ作品に度々登場しています。プロデュースは前作と同じ くマイク・ストーンとゲイリー・ヒューズとなっています。なお、1stと2ndにそれぞれボーナス・トラックを加えて2枚組としたものも発売されています。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. The Name of the Rose (Gary Hughes)
02. Wildest Dreams (Gary Hughes)
03. Don't Cry (Gary Hughes)
04. Turn Around (Gary Hughes)
05. Pharaoh's Prelude : Ascension to the Afterlife (Gary Hughes)
06. Wait For You (Gary Hughes)
07. The Rainbow (Gary Hughes, Zoe Hughes)
08. Through the Fire (Gary Hughes)
09. Goodnight Saigon (Gary Hughes)
10. Wings of the Storm (Gary Hughes)
11. Standing In Your Light (Gary Hughes)
12. The Quest (Gary Hughes)
13. You're My Religion (Gary Hughes)

■Personnel
Gary Hughes – vocals
Vinny Burns – guitars
John Halliwell – guitars
Ged Rylands – keyboards
Shelley – bass guitar
Greg Morgan – drums

Mark Harrison – bass guitar
Brian Cox – keyboards
Howard Smith – keyboards
Andy Thompson – keyboards
Jason Thanos – backing vocals on "Goodnight Saigon"
Jee Jacquet – backing vocals on "Standing In Your Light"
Thierey Cardinet – backing vocals on "Standing In Your Light"
Oliver Bowden – backing vocals on "Standing In Your Light"
Damien Guasp – backing vocals on "Standing In Your Light"

Producer - Gary Hughes, Mike Stone
Executive Producer - Mark Ashton, Vinny Burns




H.E.A.T / H.E.A.T (2008)

0028HEAT

スウェーデンのメロディアス・ハードロックの新星、H.E.A.Tのデビュー・アルバム。学生バンドを母体に結成され、スウェーデンのロック・フェスティバルで注目を集めて、メジャー・デビューにつながったとのこと。メンバーは、ケニー・レクレモ(Vo)、エリック・リヴァース(Gt)、デイヴ・ダロン(Gt)、ジミー・ジェイ(Ba)、クラッシュ(Dr)、ヨナ・ティー(Key)。2008年アルバム・リリース当時みな22~3歳というのがいいですね。やっぱりロックは本来若者の音楽だし。出てくる音が、若々しく溌剌としていて気持ちがいい。"Intro"のSEに続く、オープニング曲"There For You"のドラマチックなギターから、もうワクワクさせてくれます。収録されている曲は全てメンバーの書き下ろしで、高揚感に満ちた素晴らしいメロディが目白押し。メロハーバンドで意外に少ないツイン・リード編成のハモりも美しい。メロハー者がイメージする「北欧の音」ピッタリです。ブックレットや、ウェブで見る限り、ルックスも中々にいい線いってます。難を言えば、ボーカルがやや不安定か。とにかく、今現在このようなメロディを大事にした音楽が、残念なことに多くの人々から支持を得られない中で、新鮮なメロディアス・ハードロックを聴かせてくれるグループが新たに登場したことが何よりうれしいと思います。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Intro
02. There For You (H.E.A.T)
03. Never Let Go (Dave Dalone, Jona Tee)
04. Late Night Lady (Dave Dalone, Jona Tee, Kenny Leckremo)
05. Keep On Dreaming (Dave Dalone, Jona Tee)
06. Follow Me (Dave Dalone, Jona Tee, Kenny Leckremo)
07. Straight For Your Heart (Dave Dalone, Jona Tee)
08. Cry (Dave Dalone, Jona Tee)
09. Feel It Again (Kenny Leckremo, Crash)
10. Straight Up (Dave Dalone, Kenny Leckremo, Crash)
11. Bring The Stars (Dave Dalone, Jona Tee)
12. You're Lying (Dave Dalone, Jona Tee)
13. Feel The H.E.A.T (Kenny Leckremo)
14. Stay (2008 version) [bonus track] (Jona Tee)

■Personnel
Kenny Leckremo - Vocals
Dave Dalone - Guitars
Eric Rivers - Guitars
Jona Tee - Keyboards
Jimmy Jay - Bass
Crash - Drums

Producer – H.E.A.T & Michael Vail Blum

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