メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。

No Substitute / Affair (2002)

0288No Substitute










ボビー・アルトヴェイター(Gt)を中心としたドイツのメロディアスHR/HMバンド、Affair(アフェアー)の5年ぶりの2ndアルバム。前作の時点では実質的にはプロジェクト的グループだったようですが、本作はバンド編成となってレコーディングされています。ボーカルは引き続きベルギー出身のピーター・デ・ウィント(ex-Mystery)。他はベースにはBonfireのウーヴェ・コーラー、ドラムにはボビー・アルトヴェイターと共にCherry Moonにも参加していたミッヒ・シュワッガー、キーボードにはEternal Flame、Bonfireのトーマス・シュトレック。彼はボビーがプロデュースしたSerumでプレイした経歴もあります。ゲストのバッキング・ボーカルの中にはBrunorockことブルーノ・クレーラーの名前もありますが、彼のアルバムにもボビーが参加。というように、ボビーと関わりのあるミュージシャンで固められたラインナップです。

このバンド、硬質なメロディック・メタル寄りのサウンドとメロディアスな楽曲が特徴ですが、本作では1stにも増して充実した内容になっています。暑苦しく男臭く、勇壮に歌い上げるピーター・デ・ウィントの歌唱と、ジョージ・リンチに通じる薄刃のカミソリのようなボビー・アルトヴェイターのギターが絡み合う様は絶品です。固定メンバーが揃って、バンドらしさが感じられるのも好印象。残念ながらこのアルバム以後新作のリリースがないので、おそらくバンドは分解したものと思われます。ボビーのほうはBrunorockやSam Alexのアルバム等で活動継続していますが、ピーター・デ・ウィントは音沙汰無しで淋しい限り。忘れられるにはもったいないボーカリストだと思います。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. No Substitute
02. Get Going
03. Inside Out
04. Return Forever
05. Life On A Wire
06. Magic Radio
07. Game Of Love
08. Keep Me Alive
09. Back In The Race
10. Fire Still Burning
11. Why, Why
12. Smile On Your Face (Japanese bonus track)

■Personnel
Peter De Wint - Lead Vocals
Bobby Altvater - Guitars, Vocals
Michi Schwager - Drums
Thomas Streck - Keyboards
Uwe Köhler - Bass

Brunorock - Backing Vocals

Producer - Bobby Altvater


【番外編】 Rubicon

Night Ranger(ナイト・レンジャー)のブラッド・ギルス、ジャック・ブレイズが在籍し、ケリー・ケイギーもツアー・メンバーとして関わっていたファンク・ロック・バンドRubicon(ルビコン)。Sly & The Family Stoneのジェリー・マルティーニを中心に結成され、Rubicon(1978)、America Dreams(1979)という2枚のアルバムを残して消えていったバンドです。また、1978年のカリフォルニア・ジャム2に出演し、その映像は日本のTVでも放映されました。筆者はLP時代に聴き倒し、カリフォルニア・ジャム2も出はじめのベータ・ビデオで録画して何度も見た記憶があります。長らくLPでしか聴くことができなかった彼らのアルバムが、ようやく2009年にRenaissance Recordsから1stと2ndを1枚のディスクに合わせて収録したCDが出されて、気軽に楽しめるようになったのは嬉しい限りです。

さて、このRubiconは、Sly & The Family Stone、Cold Blood、Tower of Powerといったベイエリアのファンク・バンド(いわゆるオークランド・ファンク)のお仲間なわけですが、珍しくハードロック的要素を持っているのが特色で、一方AOR/メロハーっぽいポップでメロディアスな曲もあったりします。その辺がNight Rangerにつながる要素なのかなと。ジャック・ブレイズのスラッピング(当時はチッョパー・ベースと言っていた)はジェリー・マルティーニ請われて加入しただけあって最高にカッコよく、二十歳そこそこのブラッド・ギルスも最初っから上手いです。普通にファンクとしてハイ・クォリティだし、Night Rangerの中核メンバーがキャリアの初期にどんな音楽をやっていたのかという興味の持ち方でも聴けるし、また米米クラブとか好きな方にもお薦めできるようなバンドです。筆者なんかはNight Rangerよりこっちの方が好きだったりします。

■Personnel
Jerry Martini - Sax
Max Haskett - Trumpet
Dennis Marcellino - Sax
Jim Pugh - Keyboards
Greg Eckler - Drums
Jack Blades - Bass
Brad Gillis - Guitars



※筆者は前述のRenaissance Recordsのニコイチ盤を購入しましたが、その後2011年に日本のAir Mail Recordingsから、1st「シスコの熱風」、2nd「夢のアメリカ」とLP時代の邦題で、リマスター&紙ジャケ仕様のCDも発売されています。


※カリフォルニア・ジャム2のライヴ盤。2曲のみRubiconが収録されています。DVDもあるはずなんですが、Amazonでは扱っていないようです。


Say Yeah / Aquila (2001)

0287Say Yeah










オランダのメロハー・バンドAquila(アクイラ)の1stアルバム。リーダーでボーカリストのフレッド・ヘンドリックス自身が書いたライナー・ノーツによれば、レコード会社との間にトラブルがあってTerra Nova(テラ・ノヴァ)の新作作りが困難となり、一旦Terra Novaは解散。フレッド・ヘンドリックスのソロ・プロジェクト的なバンドとしてAquilaを始動させたとのことです。しかし、フレッドが曲を書いて歌い、弟のロン・ヘンドリックス(Key)とジェスィーノ・デローザス(Gt)というTerra Nova中核メンバーが録音に参加しているわけで、実質的にはTerra Novaの別名義での作品です。リズム・セクションはセッション・プレイヤーとのことですが、日本盤と海外盤とで表記が異なるらしく、アディショナル・ミュージシャンにも複数のドラマー、ベーシストが記載されていて、実際に誰がどの曲でプレイしているのか不明です。

というわけで、本作もTerra Nova同様の明るいメロディが特徴のハード・ポップが詰め込まれています。Terra Nova4作目用のマテリアルも含まれており、メロディの素性は当然Terra Novaと同じ。ただ、Terra Novaのサウンドがハードロック然とした分厚いものだったのに比べて、アコースティック・ギターが多用され、エレキもクランチ・サウンド、リズム・セクションもゆったりとしており、全体としてライトでカジュアルな印象。ミカエル・アーランドソンのソロ作やNelsonに通じる心地良いサウンドです。筆者のお気に入りは、リラックス・ムードの#2"Wide Open"、#3"Forgive Me"、#8"Sometimes"、#12"I Run"、#13"The End"、溌剌とした#4"Young And Restless"、#6"Everyday"、#7"Here I Am"、#10"Say Yeah"。パンキッシュな#11"The Kids Wanna Rock"もいいですね。ほとんど全部だな。ただ、一番地味で面白みのないバラード"Cecelia"をオープニングにもってきたのはいかがなものか。これでアルバムの印象が地味になってしまったのがもったいない限りです。。。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks (All songs written by Fred Hendrix)
01. Cecelia
02. Wide Open
03. Forgive Me
04. Young And Restless
05. Nothing's Impossible Now
06. Everyday
07. Here I Am
08. Sometimes
09. I Share It With You
10. Say Yeah
11. The Kids Wanna Rock
12. I Run
13. The End
14. Where Is The Sun

■Personnel
Fred Hendrix - Lead Vocal, Guitar
Ron Hendrix - Organ, Keyboards, Backing Vocals
Gesuino Derosas - Guitar, Backing Vocals
René Creenmers -  Drums
Pieter Douma - Bass

Additional Musicians
Eric Coenen, Roiger van Wegberg, Arthur Lijten, Ad de Jong, Cor Muysers, Eric Derix, Lars Beuving,

Producer - Fred Hendrix


Point Blank / Bonfire (1989)

0286Point Blank










ドイツ産HRバンドBonfire(ボンファイアー)の1989年リリースの3rdアルバム。一作ごとに同郷の先輩バンドScorpionsの影響が薄れ、Bon Jovi色というかアメリカ指向が強まってきています。前作に引き続き、ジャック・ポンティ、デズモンド・チャイルドといったBon Joviにつながるヒット・メーカーとの共作曲を入れ込み、楽曲面での充実度は更に向上。俗に言うアリーナ・ロック風なメジャー・バンド感が出てきました。メイン・ギターがハンス・ツィラーから新規加入のエンジェル・シュライファー(ex-Sinner)にチェンジしたことによって、インスト面も格段に強化されています。ただ、惜しむらくは決定的なキラー・チューンがないこと。うーん、あと一歩、あと半歩という感じです。一曲一曲はコンパクトでキャッチーなんですが、箸休め的な小品2曲を含めて全17曲収録というのも、さすがに詰め込みすぎな気がします。2009年Yesterrockの再発盤は更に7曲のライブ録音がボーナスで追加されており、嬉しいようなお腹一杯なような。。。

なお、前身バンドCacumen以来のギタリスト2人のうち、ホルスト・マイヤー・ソーンは録音前に脱退、ハンス・ツィラーはミックス中に脱退しています。ハンス・ツィラーのパートがどの程度残っているのか不明ですが、彼はAdditional Guitars、エンジェル・シュライファーはAll Guitarsとクレジットされています。ドラムは前作では助っ人のケン・メリーが叩いていましたが、本作では固定メンバーとしてエドガー・パトリック(ex-Sinner, Samson)が参加しています。クラウス・レスマン(vo)、ヨルグ・ダイジンガー(b)は変わらず、プロデュースも2ndと同じくマイケル・ワーグナーが手がけています。バッキング・ボーカルにフレディ・カーシ(ex-Sheriff, Alias)の名前があるのがちょっと意外。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Bang Down The Door
(Music & Lyrics: B. Halligan Jr./G. Schleifer/C. Lessmann/J. Ziller)
02. Waste No Time
(Music: J. Deisinger/G. Schleifer, Lyrics: C. Lessmann)
03. Hard On Me
(Music & Lyrics: J. Ponti/S. Swirsky/C. Lessmann/G. Schleifer/J. Deisinger/E. P. Witzemann/J. Ziller)
04. Why Is It Never Enough
(Music: J. Ziller, Lyrics: C. Lessmann)
05. Tony's Roulette
(Music: J. Ziller, Lyrics: C. Lessmann)
06. Minestrone
(Music & Lyrics: H. Maier-Thorn/E. P. Witzemann)
07. You're Back
(Music: J. Deisinger/G. Schleifer, Lyrics: C. Lessmann)
08. Look Of Love
(Music: J. Deisinger/G. Schleifer, Lyrics: C. Lessmann)
09. The Price Of Loving You
(Music: D. Child, Lyrics: D. Child/C. Lessmann/G. Schleifer/J. Ziller)
10. Freedom Is My Belief
(Music: J. Ziller, Lyrics: C. Lessmann)
11. Gimme Some
(Music & Lyrics: J. Ponti/K. Keeling/L. Bulen/M. Wagener/C. Lessmann/J. Deisinger/G. Schleifer/E. P. Witzemann/J. Ziller)
12. Say Goodbye
(Music: J. Ziller, Lyrics: C. Lessmann)
13. Never Surrender
(Music: J. Deisinger/G. Schleifer, Lyrics: C. Lessmann)
14. (20th Century) Youth Patrol
(Music: J. Ziller, Lyrics: C. Lessmann)
15. Jungle Call
(Music & Lyrics: H. Maier-Thorn)
16. Know Right Now
(Music: J. Deisinger/G. Schleifer, Lyrics: C. Lessmann)
17. Who's Foolin' Who
(Music & Lyrics: M. Ribler/C. Lessmann/G. Schleifer/J. Ziller)

■Personnel
Claus Lessmann - Lead & Backing Vocals, Acoustic Guitars
Jörg Deisinger - Bass, Backing Vocals, Mouth Drums
Edgar Patrik - Drums, Percussion, Backing Vocals
Angel Schleifer - All Guitars, Backing Vocals

Hans Ziller - Additional Guitars
Fred Curci - Additional Backing Vocals

Producer – Michael Wagener


Messiah Complex / Eyewitness (1996)

0285Messiah Complex









アメリカのHR/HMバンドEyewitness(アイウィットネス)の1996年にリリースされた2ndアルバム。前年の1stが本国でパッとしなかったのか、2ndは日本盤のみのリリースとなっています。メンバーはラルフ・サントーラ(Gt)、トッド・プラント(Vo)、スティーヴ・ホドソン(B)、オリヴァー・ハンソン(Ds)で前作と変わりありません。1stはメロディアスな上にパワー感も十分な好盤でしたが、本作はこの当時のお決まりの迷い道=グランジ化にはまり込んでしまってます。1stを好意的に受け止めた日本のファンの多くは、えげつない流行便乗に拒絶反応しか示しませんでした。これを日本でしかリリースできなかったのは悲劇を通り越して喜劇的ですらあります。

何度も書いてきたことですが、グランジ/オルタナと呼ばれる音楽を率先して提示してきたミュージシャンは、そういう表現手法を採る内的必然性があるわけです。メロディアスHR/HM系のバンドが、表面的に真似してみても、ただただ中途半端な音楽になるのは目に見えています。濁った響きのコードを使ったり、メロディ・ラインを暗くしてみたって、それは形だけのこと。怒りや憂鬱や自省や破壊衝動とかと、延々とギター・ソロを見せびらかすような心性は全く別物です。聴いてる方だって、グランジ・バンドに求めるものとHR/HMバンドに求めるものは違うのが当たり前。なんでそれが分からなかったんでしょうか。。。

ただ、リリースから10年、20年経ってみると、「グランジ化して失敗したHR/HM」という一つのジャンルと括ることもできる作品群は、そういう耳で聴けばそれなりに面白いというか、興味深いのも確かです。グランジ/オルタナのファンにも、HR/HMファンにもとても薦められませんが、たまに聴いて「ふーん」とか「へー」となるアルバムですね、これも。なお、現在中古市場で出回っているCDにはオリジナル盤のほか、1stとのカップリング盤があります。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Messiah Complex (Words & Music: R. Santolla)
02. All We Are (Words: R. Santolla/T. Plant, Music: R. Santolla/O. Hanson)
03. The Servant Has Become The Master (Words: R. Santolla/T. Plant, Music: R. Santolla)
04. The Circle (Words & Music: R. Santolla)
05. Desert Rain (Words: T. Plant, Music: R. Santolla/S. Hodson/O. Hanson)
06. I Think I Wanna Die Now (Words: R. Santolla/T. Plant, Music: R. Santolla)
07. Cries For Mercy (Words: T. Plant, Music: R. Santolla/S. Hodson)
08. Out Of Sight, Out Of Mind (Words: T. Plant, Music: S. Hodson/R. Santolla)
09. Breaking Down The Walls (Words & Music: R. Santolla)
10. Sea Of Sadness (Words: T. Plant, Music: R. Santolla/S. Hodson/O. Hanson)
11. The Blade (Words: T. Plant, Music: R. Santolla/S. Hodson/O. Hanson)
12. The Guiding Hand (Words & Music: R. Santolla)
13. Dreamscape(Words: T. Plant, Music: R. Santolla)

■Personnel
J. Todd Plant - All Lead & Backing Vocals
Ralph Santolla - Guitar
Steve Hodson - Bass
Oliver Hanson - Drums

Brian Benscoter - Keyboards
Phiil Cherry - Additional Guitar on "Breaking Down The Walls", Keyboards on "Cries For Mercy"
Mike Caruso - Additional Guitar on "The Blade"
Jack Owen - Left speaker Lead on "I Think I Wanna Die Now"

Producer – Ralph Santolla & Scott Burns


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