メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

For a Fistful of Dollars / Soul Doctor (2005)

0497For A Fistful Of Dollars









Fair Warningのトミー・ハート(Vo)と、そのHeartlyne時代の仲間クリス・ライン(G)によるドイツのハードロック・バンドSoul Doctorの3年ぶりの3rdアルバム。ベースのヨルグ・ダイジンガーが脱退し、かわりに元Heartlyne、Skew Siskinのヨギー・ラウテンベルクが加入しています。また、ドラムのザッキーことアタナシオス・ツォウカスも録音途中に脱退、急遽オーストリア人ドラマーのマリオ・B(元Blind Petition、Skew Siskin)がサポートでドラムを叩いています。というわけで結果的にHeartlyne、Skew Siskinの人脈でバンドが固められることになりました。

前作では若干メロディアスな方向性も見せていましたが、本作では1stの線に戻ってロックン・ロールとブルースをベースにしたハードロックが全面展開です。ZEP、AC/DC、初期Gotthardといったところの影響が顕著なサウンドです。演奏はシンプルでタイトだし、トミー・ハートの高揚感は健在だし、気持ちの良いことこの上ないのですが、この路線も3作目となるとやはりマンネリという言葉が頭に浮かんでしまいます。AC/DCのようにマンネリの美学とも言うべき境地に達することができればまた話は別ですが、このまま真っ直ぐ行くのはちょっと苦しいかな。

最後に、ボーナス・トラックのZEPのメドレー、これは辛い。。。ちっとも面白くない。逆にLed Zeppelinというバンドの物凄さを思い知らされた感じです。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Eatin' on Me
02. Best Way to Fade
03. Under Your Skin
04. Remember
05. Where Do We Go
06. Ten Seconds of Love
07. She's Mine
08. The Trigger (Goin' Downhill)
09. Give Me a Ride (The Ride)
10. Cheap, Down 'N Nasty
[Bonus Track]
11. Rock and Roll / Heartbreaker
All songs written by Heart & Lyne except #11 written by Page, Plant, Jones & Bonham

■Personnel
Tommy Heart - Vocals
Chris Lyne - Guitar
Jogy Rautenberg - Bass
Mario B. - Drums on #1, 2, 3, 8
Zacky - Drums on #4, 5, 6, 7, 9, 10

Igor Flach - Blues Harp on #2, 10
Martin Zitzmann - Hammond on #4
Alex Kraut - Piano on #4, Hammond on #5, 8
Rollo Volter - Tenor Saxophone on #6, 7, 8
Christian Fischer - Trombone on #6, 7, 8
Lars Mensching - Trumpet on #6, 7, 8

Producer - Tommy Heart, Chris Lyne

For A Fistful Of Dollars
ソウル・ドクター
マーキー・インコーポレイティド
2005-07-21


Truth / Talisman (1998)

0496Truth









Human Clay名義での2作品を挟んでのTalisman(タリスマン)復活作。オリジナル・アルバムとしては5作目となります。ギターはフレドリック・オーケソンから元Great King Ratのポンタス・ノルグレンにチェンジしています。この人は多才な人で、ギタリストとして多くバンド、プロジェクトに関わっているほか、プロデューサー、エンジニア、ミキサーとしても活躍しており、Human Clayの U4Ia のミックスも担当していました。

さて、アルバムの内容ですが、結論から言うと3rd Humanimal 、4th Life ほどの圧倒的な完成度・充実度には達していないという印象です。まず、カバーが3曲もあるのですが、この内クイーンの#1"Let Me Entertain You"とプリンスの#4"Darling Nikki"がちっとも面白くない。マドンナの#10"Frozen"は選曲は意外ですがこれはカッコよかったです。それから、#2"In the End"はヴァースがフリーの"Wishing Well"そっくり。オマージュだかパロディだか知りませんが要するにパクリでしょう。他にもなんだか聴いたことあるようなフレーズやメロディも多く、マルセル・ヤコブの悪い癖がまた出たとしか言い様がありません。もちろん良い曲もあり、特にジェイミー・ボーガー作と思しきポップな#5"I'll B There 4 U"はこのバンドに新たな魅力を付け加えているし、お得意の「ハードロック風ソウル」#8"Heaven's Got Another Hero"や#9"Your Man"、ファンキーかつ哀愁満点の#11"Until the Morning Comes"、Humanimal、Lifeの攻撃性を思わせる#13"Pavilion of Oblivion"などは名曲レベルです。まあ、ジェフ・スコット・ソートはどんな曲でも自分の歌として見事に歌いこなしてしまうし、バンドの演奏そのものはその辺の凡庸なバンドなど足元にも及ばない水準なわけで。。。収録曲の出来に多少のバラつきはあっても、力技で「すげー!」と言わせてしまうんですよね、Talismanは。

なお、オリジナル盤は全13曲(日本盤はボーナスを加えて14曲)収録ですが、Rock Treasuresレーベルからリリースされた Live At Sweden Rock Festival とのカップリング盤(2004年)と、A Sun Hill Production ABの再発盤(2013年)には日本盤ボーナス・トラックとデモ音源2曲を加えて全17曲収録となっています。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Let Me Entertain You (Freddie Mercury)
02. In the End (Jeff Scott Soto/Marcel Jacob)
03. Here 2Day, Gone 2Day (Jeff Scott Soto/Marcel Jacob)
04. Darling Nikki (Prince)
05. I'll B There 4 U (Jeff Scott Soto/Jamie Borger)
06. The Man I'll Never Be (Jeff Scott Soto/Marcel Jacob)
07. Bellabecca (Jeff Scott Soto)
08. Heaven's Got Another Hero (Jeff Scott Soto/Marcel Jacob)
09. Your Man (Jeff Scott Soto)
10. Frozen (Madonna/Patrick Leonard)
11. Until the Morning Comes (Jeff Scott Soto/Marcel Jacob)
12. Angel/Devil (Jeff Scott Soto/Marcel Jacob)
13. Pavilion of Oblivion (Jeff Scott Soto/Marcel Jacob)
14. Madison (Jeff Scott Soto/Marcel Jacob)
[Bonus Track]
15. T 4 1 1/2 (Marcel Jacob)

■Personnel
Jeff Scott Soto - Vocals, Keyboards, Programming, Drum Loops
Marcel Jacob - Bass, Sequencing, Programming, Lead Guitars on #9
Pontus Norgren - Lead & Rhythm Guitars
Jamie Borger - Drums, Percussion

Dawn White - Additional B-Vox on #10
Jody Whitesides - Additional B-Vox on #1, 8, Guitar Re-intro 2nd Verse on #2
Frank Salerno - Piano on #9

Producer - Marcel Jacob & Jeff Scott Soto

Truth
Talisman
Cargo UK
1999-03-08



Homerun / Gotthard (2000)

0495Homerun









スイスのハードロック・バンドGotthard(ゴットハード)の5作目のオリジナル・アルバム。メンバーは前作 Open と同じくスティーヴ・リー(Vo)、レオ・レオーニ(G)、マンディ・メイヤー(G)、マーク・リン(B)、ヘナ・ハーベッガー(Ds)となっています。プロデュースと曲作りに同じスイスのKrokusのクリス・フォン・ローアが関わっているのはこれまで通りです。

前作に引き続きソフト路線ともいうべき作風で、アコースティカルな曲や、ポップな曲が多い印象です。なんとDuran Duranのアンディ・テイラーのカバー#3"Take It Easy"なんていうのも収録されています。ソフト路線はいいのですが、バラード多過ぎというのがちょっと気になるところ。もちろんGotthardですからどの曲も出来はいいのです。しかし、ソフト路線でバラード多目となると、ハードロック・バンドとしてはいかがなものかと。ギター・ソロなんかもずいぶん減ってしまったし。ハードロック一本やりではスイスの「国民的バンド」に登りつめることはできないということだったのでしょうか。ところで、前作には"Vision"という名曲が入っていましたが、本作にもそれに匹敵するような#4"Light in Your Eyes"という哀愁メロハーの名曲があります。バラードを減らして、"Vision"や"Light in Your Eyes"みたいな曲を増やしてくれたら、名盤確定なんだけどなぁ。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
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■Tracks
01. Wun Ga-Li (Lynn)
02. Everything Can Change (Von Rohr, Meyer, Lee)
03. Take It Easy (Andy Taylor, Steve Jones)
04. Light in Your Eyes (Von Rohr, Leoni, Lee)
05. Heaven (Von Rohr, Leoni, Lee)
06. Lonely People (Von Rohr, Leoni, Lee)
07. Eagle (Von Rohr, Leoni, Lee)
08. End of Time (Von Rohr, Leoni, Lee)
09. Say Goodbye (Von Rohr, Leoni, Lee)
10. Reason to Live (Von Rohr, Meyer, Lee)
11. Come Along (Von Rohr, Leoni, Lee)
12. Homerun (Von Rohr, Leoni, Lee)
[Japan Bonus Track]
13. Dirty Weekend (Leoni, Lee)

■Personnel
Steve Lee - Vocals
Leo Leoni - Guitars, Keyboards
Mandy Meyer - Guitars
Marc Lynn - Bass
Hena Habegger - Drums

H.P. Brüggemann - Keyboards
Nicolò Fragile - Keyboards
Danny Lee - Additional Vocals
Flavio H. - Additional Vocals

Producer - Chris Von Rohr, Leo Leoni

HOMERUN
GOTTHARD
ARIOL
2001-01-29


Pride / Pride (2011)

0494Pride









スウェーデンのメロハー・バンドPrideの唯一作です。バンドの活動当時にリリースされたのはシングル"You're the Only One / Dreamer in the Night"(1989年)のみで、この2曲と次のシングル予定曲だった"Someone Is Calling Your Name / Playing With Fire"、更に1990年に録音されたもののお蔵入りだった7曲、計11曲収録のアルバムが2008年英国AOR-FMレーベルから500枚限定で発売されていました。今回取り上げたCDは、更に2曲(録音時期不明)をボーナス・トラックとして追加、計13曲入りでドイツYesterRockレーベルから2011年にリリースされたものです。

ジャケットのイメージからして、お下劣なバッド・ボーイズ風、あるいはスリージー・メタルだったらどうしようと一抹の不安がありましたが、最近あまり見なくなった上品な北欧ハードポップそのものでした。ナヨナヨっとしたボーカル、柔らかく包み込むようなキーボード、全体におっとりしたサウンドが特長です。北欧流メロハーのファンであれば、まあ気に入るような内容だと思います。ただし、演奏力という面から見ると厳しいですね。それこそスリージー・メタルとかLAメタルを思わせる#5"Turn It Up"を聴くと良く分かりますが、ギターやドラムの腕の見せ所のような場面でも、大人しくマッタリしていて躍動感やスリリングさが感じられません。曲の出来も平均的なものだし、総じてやはりマニア向けの1枚ということだと思います。

 評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
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■Tracks
01. You're the Only One (Karlström/Kristiansson)
02. Dreamer in the Night (Karlström)
03. Playing With Fire (Karlström/Öhlund/Kristiansson)
04. Someone Is Calling Your Name (Karlström/Kristiansson)
05. Turn It Up (Pride)
06. Good Intuition (Pride)
07. Love Is Hard to Live With (Pride)
08. Movin' On (Pride)
09. Let It In (Pride)
10. Changin' (Pride)
11. Over the Guideline (Pride)
[Bonus Tracks]
12. Heartless Woman
13. Valkyria

■Personnel
Dan Kristiansson - Vocals
Stefan Karlström - Keyboards
Jonas Öhlund - Guitar
Johan Agerberg – Bass
Anders Pellving (fka Henriksson) - Drums

Producer - Jonas Kuling & Pride (#1, 2), Mats Karlsson (#3, 4), Pride (#5~11)

Pride
Pride
Yesterrock
2011-02-18


Somebody Else's Dream - Jerry-Kelly (1978)

0493Somebody Else's Dream









ヒット曲"Timothy"で知られるThe Buoysのメンバーだったジェリー・フルジクとビル・ケリーによるユニット、Jerry-Kellyのアルバムです。本作のリリース後にバンド名をDakotaに変えているので、実質Dakotaの1stアルバムということになります。ということで、70年代の古い作品ですが、Dakota同様AOR、ハードポップ、カントリー・ロック、フュージョンなど多彩な要素を詰め込んだメロディック・ロックを聴くことができます。どの曲のメロディも明るく親しみやすいもので極めて上質。そして、ハイトーン・タイプのビル・ケリーと、中低域中心の渋めの声を持つジェリー・フルジクのツイン・ボーカルとハーモニーも素晴らしいの一言。好事家ならばぜひ聴いておきたい名作だと思います。

曲の良さ、主役の二人のボーカルの見事さもさることながら、サポート・ミュージシャンを大量動員したインスト・パートも聴き逃せません。痒いところに手が届くまさに職人技という言葉がふさわしい演奏です。残念ながら曲ごとの詳細な担当は分かりませんが、ブックレット記載のクレジットをざっと紹介しておくと、ベースはChicagoのピーター・セテラ、セッション・プレイヤーのビル・ディッキンソン、ドラムにChicagoのダニー・セラフィン、セッション・プレイヤーのトム・ドンリンジャー、キーボードにChicagoの弟分バンドMadura、ファンク・バンドRufusに在籍したデヴィッド・“ホーク”・ウォリンスキー、Mothers of Inventionのイアン・アンダーウッド、フュージョン畑のドン・グルーシン、ギターはセッション・ギタリストのアール・スリックとデヴィッド・アマロといった面々です。プロデュースはダニー・セラフィンとデヴィッド・“ホーク”・ウォリンスキーとなっています。

 評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
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■Tracks
01. Settle Down (Bill Kelly)
02. Magic (Jerry Hludzik, Bill Kelly)
03. Silly Boy (Jerry Hludzik)
04. Dear Love (Jerry Hludzik, Bill Kelly)
05. Motel Lovers (Jerry Hludzik, Bill Kelly)
06. Changes (Jerry Hludzik, Bill Kelly)
07. You Can Be (Jerry Hludzik)
08. Be My Love (Bill Kelly)
09. Runaway (Del Shannon)
10. Somebody Else's Dream (Jerry Hludzik)
[Bonus Tracks]
11. Fifteen Minute Woman (Bill Kelly)
12. Dear Love (acoustic)

■Personnel
Jerry Hludzik - Guitar, Vocals, Background Vocals
Bill Kelly - Guitar, Vocals, Background Vocals

Peter Cetera - Bass Guitar, Background Vocals
David "Hawk" Wolinski - Synthesizer
Cosmo Carboni - (Danny Seraphine) - Drums
Lee Loughnane - Background Vocals
Earl Slick - Guitars
Bill Dickinson - Bass Guitar
Tom Donlinger - Drums
Byron Berline - Mandlin
Laudir Deoliveria - Percussion, Congas
Ian Underwood - Synthesizer
David Amaro - Guitars
Don Grusin - Piano, Clavinet, Fender Rhodes Piano, Synthesizer

Producer - Danny Seraphine & David "Hawk" Wolinski


It's About Time / Point of Power (1992)

0492It's About Time









White Wolf解散後にドン・ウルフ(ドン・ウィルク)が結成したPoint of Powerの唯一作です。メンバーのクレイグ・ブルックス(Ds)とスティーヴ・クレイン(G)は、よくドン・ウルフやケニー・ケイオス・ロニー関連作でプレイしているプレイヤー。ゲストのポール・レインはもちろんDanger Danger、The Defiantsのボーカリスト、ダグ・ジョンソンはLoverboyのキーボーディスト、ジョージ・クリストンはKick Axeのボーカリスト、一部のギターとプロデュースはKick Axeのアルバムもプロデュースしてきたレイ・ハーヴェイです。また、プレイには参加していませんがケニー・ケイオス・ロニーが曲作りに関わっています。といったように、カナダのミュージシャンが大挙馳せ参じた作品となっています。

White Wolfと比べるとメタル色はほとんど感じられず、アメリカン・ハードロック的なサウンドとなっており、その上スピードチューンやリズムがはねている曲が多く、やたら元気な印象です。曲はどれも良く出来ていますが、ファンキーなリフがかっこいい#3"Come See the Doctor"、#7"Love Takes Time"、スワンプ的な粘っこい味わいのある#4"Make Up Your Mind"、#9"Push and Shove"、メロディアスなスピード・チューン#5"Kick It Out"、#10"Take It to the Limit"、いかにもケニー・ケイオスの曲らしいドラマチックな#12"Safe and Warm"あたりは特にお薦めしたい曲です。そして、曲の良さもさることながら、なんと言ってもドン・ウルフがやはり素晴らしい!サウンドや曲調が変化しても、鼻詰り気味のおっさんっぽい声と朗々とした歌唱の魅力は変わることはありません。

結局このPoint of Powerは本作だけで解散。その後ドン・ウルフのキャリアは、ケニー・ケイオスとのProject Xやソロ活動を経てWhite Wolf再結成へ繋がっていきます。

 評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. The Hunky Dory Orgy (Brooks, Crane, Harvey, Oulster, Webster, Wilk)
02. Going Strong (Words : Brooks, Wilk / Music : Crane, Langen, Wilk)
03. Come See the Doctor (Words : Brooks, Langen, Wilk / Music : Brooks, Crane, Wilk)
04. Make Up Your Mind (Words : Brooks, Wilk / Music : Brooks, Crane, Reno, Wilk)
05. Kick It Out (Words : Brooks, Kaos, Wilk / Music : Brooks, Kaos, Webster, Langen, Wilk)
06. Lovin' You (Is All I Wanna Do) (Words : Brooks, Harvey, Wilk / Music : Brooks, Crane, Wilk)
07. Love Takes Time (Words : Brooks, Wilk / Music : Brooks, Crane, Wilk)
08. Deeper in the Hole (Words &Music : Brooks, Kaos, Wilk)
09. Push and Shove (Words : Brooks, Harvey, Wilk / Music : Brooks, Crane, Oulster, Webster, Wilk)
10. Take It to the Limit (Words : Brooks, Wilk / Music : Brooks, Crane, Langen, Wilk)
11. School of Hard Knocks (Words : Brooks, Harvey, Wilk / Music : Harvey)
12. Safe and Warm (Words &Music : Brooks, Kaos, Wilk)

■Personnel
Craig Brooks - Drums
Steve Crane - All Guitars, Background Vocals
Paul McEwan - Keyboards, Background Vocals
Peter Oulster - Bass, Background Vocals
Donnie K. Wilk - Vocals

Paul Laine - Extra Vocal on #11
Doug Johnson - Additional Keyboards on #4
George Criston - Harp Solo on #9
Ray Harvey - Extra Lead Guitar Solo on #9

Producer – Raymond Arthur Harvey

It's About Time
Point of Power
Imports
1996-04-18


Transition / Street Talk (2000)

0491Transition









フレドリック・バーグ(key)が主宰するプロジェクトStreet Talkの2ndアルバム。1stも傑作でしたが、この2ndはそれを上回る大傑作です。北欧AORの代表的名盤の一つだと思います。ボーカルは本作ではヨラン・エドマン単独、ギターは当時まだ新人のスヴェン・ラーション、リズム隊は前作ではアディショナル・メンバーだったミカエル・ベルナー(b)、クリスチャン・ヨハンソン(ds)となっています。

サウンドは前作を継承した北欧AORならではの繊細さ、清涼感あふれるものですが、曲のほとんどがフレドリック・バーグ作で、ボーカルもヨラン・エドマン一人なので、前作より統一感がある印象です。まず、ヨラン・エドマンの声、歌唱がこのサウンドにぴったりはまっていて実に見事です。この人はやはりメタルっぽいバンドより、こういうAOR寄りのバンドのほうが合っているように思います。それから、スヴェン・ラーションのギターも非常に気に入りました。シングル・コイル(おそらくストラト)らしい涼しげな音で、ソロが素晴らしいのはもちろんのこと、リズムギターもほとんどアルペジオか単音バッキングなので、ハードロック的な「音の壁」とは対極的な風通しの良い爽快サウンドとなっています。これ以降のStreet Talkのアルバムにも参加しており、ソロ作も出しているようなので、ぜひ聴いてみたくなりました。主宰者のフレドリック・バーグは、「俺が俺が」と前に出てくるタイプではなく、控え目ながらセンスの良い音を鳴らしており、これまた好印象。と、ベタ褒めしたくなる内容なのですが、敢えて難を言えば、気持ちよすぎてなんとなくBGM的に聴き流してしまいそうになることくらいです。

 評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
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■Tracks
01. Someday (I'll Get Over You) (Words & Music Fredrik Bergh)
02. Need Someone (Words & Music Fredrik Bergh)
03. If Anybody Breaks Your Heart (Words & Music Fredrik Bergh)
04. Let Me Be The One (Words & Music Fredrik Bergh)
05. Always Stand By You (Words & Music Fredrik Bergh)
06. Ye Gods And Little Fishes (Words : Göran Edman  Music : Fredrik Bergh)
07. Everything I Do Is Just For You (Words & Music Fredrik Bergh)
08. Energizer Bunny (Words : Göran Edman  Music : Fredrik Bergh)
09. Don't Give Up On This Love (Words & Music Fredrik Bergh)
10. When You Lose The One You Love (Words & Music Fredrik Bergh)
[Bonus Track]
11. I'll Always Remember (Instrumental)  (Music Sven Larsson)

■Personnel
Fredrik Bergh - Keyboards, Harmony Vocals
Göran Edman - Lead & Backing Vocals
Sven Larsson - Guitars
Mikael Berner – Bass
Christian Johansson – Drums, Percussion

Nina Söderquist - Backing Vocals
Mikael Karlsson - Tenor Saxophone on #4
Pierre Loven - Percussion on #4

Producer - Fredrik Bergh

Transition
Street Talk
Point
2000-06-12


Silver Seraph / Silver Seraph (2001)

0490Silver Seraph









Alien、Midnight Sunなど数多くのメロハー系バンドでボーカリストを勤めてきたピート・サンドべリと、Majesticなどネオクラ、プログレ・メタル系のバンドを率いてきたキーボーディストのリチャード・アンダーソンがタッグを組んだプロジェクトSilver Seraphの唯一作です。他のメンバーは、Majesticにも参加していたピーター・ウィルドアー(Ds)、Pete Sandberg's JADEのメンバーだったヨルゲン・バーチ・イェンセン(G)、ピート・サンドべリのソロ2作目 Push に参加していたイェンス・ルンダール(B)という面々です。

アルバムの内容は、Deep Purple、Rainbow、Uriah Heepといったバンドを髣髴とさせる伝統的なオルガン入りハードロック。いわゆる「様式美」ってやつです。こういう音は好みなのですが、本作に関してはいささか否定的な感想を持ってしまいました。新人バンドならともかく、ピート・サンドべリとリチャード・アンダーソンという、実績と実力を兼ね備えたミュージシャンが今さらこれなのか?アラビア風の音階で「バビロぉ~ン」とか、マイケル・シェンカーの"Into the Arena"の焼き直しのようなインストとか。最悪なのは、リフもリズムも露骨にZEPの「移民の歌」で、歌詞まで"We come from the land of the ice and snow"の"We"を"I"に変えただけの曲。他にも聴いたことのあるようなフレーズやメロディばかり。くどいようですが、ピート・サンドべリともあろう人が、なんで今さらこんな手垢の付いたような曲を集めてアルバム制作しなくてはならないのか?歌唱や演奏のクォリティは申し分ないのに、心底がっかりしてしまいました。

評価 ★★☆☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作 
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■Tracks
01. Aftermath
02. 7th Day of Babylon
03. Cry From Hell
04. Desperate Heart
05. Shadowland
06. Shadow
07. Nosferatu
08. In the Dark
09. Black Rain
10. Loving You
[Bonus Track]
11. Constant Reminder

■Personnel
Pete Sandberg - Vocals
Richard Andersson - Keyboards
Peter Wildoer - Drums
Jens Lundahl - Bass
Birch (Jörgen Birch-Jensen) - Guitars

Magnus Sedenberg - Lead Guitar
Jens Friis Hansen - Harmony Vocals
Anders Waldemarsson - Bass
M. Sahlström - Guitar

Producer - Magnus Sedenberg
Executive-Producer - Per Gyllenbäck

シルヴァー・サーペント
シルヴァー・セラフ
EMIミュージック・ジャパン
2001-12-19




The Storm / The Storm (1991)

0489The Storm









元Santana、Journeyのグレッグ・ローリーが中心となって結成されたThe Stormの1stアルバムです。他のメンバーは、Journey時代の同僚ロス・ヴァロリー(B)とスティーヴ・スミス(Ds)、元707、Steel Breezeのケヴィン・チャルファント(Vo)、元Le Mansのジョシュ・ラモス(G)というラインナップとなっています。

数あるJourneyのフォロワー・バンドの中でも、これは元Journeyメンバーが3人もいるので「由緒正しい」バンドということになります。フォロワーなんて言うと失礼にあたるかも知れません。いかにもJourney風の曲が中心ですが、グレッグ・ローリーのソロ作に通じるようなAORや、ブルージーな曲もあったり、意外に音楽性の幅は広い印象です。実力者揃いのバンドなので、当然のように曲も歌唱・演奏もクォリティは高いです。特にスティーヴ・スミスのドラミングはさすがとしか言い様がありません。グレッグ・ローリーとケヴィン・チャルファントのツイン・ボーカルというのも聴き応えがあります。ただ、やっぱり、、、Journeyの元メンバーが、スティーヴ・ペリーっぽいボーカリストとニール・ショーンっぽいギタリストを探してきて、Journeyっぽい曲をやるというのは、二匹目のドジョウを狙っている感じが露骨過ぎて、、、ちょっと引きますね。Journeyとは違う路線に挑戦したら、もっとカッコよかったのにと思ってしまいます。

 評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
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■Tracks
01. You Keep Me Waiting (Gregg Rolie, Kevin Chalfant, Bob Marlette)
02. I've Got a Lot to Learn About Love (Kevin Chalfant, Gregg Rolie, Bob Marlette)
03. In the Raw (Gregg Rolie, Bob Marlette, Kevin Chalfant)
04. You're Gonna Miss Me (Gregg Rolie, Josh Ramos, Kevin Chalfant)
05. Call Me (Gregg Rolie, Andre Pessis)
06. Show Me the Way (Gregg Rolie, Kevin Chalfant)
07. I Want You Back (Gregg Rolie, Kevin Chalfant, Bob Marlette)
08. Still Loving You (Gregg Rolie, Andre Pessis)
09. Touch and Go (Bob Marlette, Kevin Chalfant, Gregg Rolie, Josh Ramos, Ross Valory, Steve Smith)
10. Gimme Love (Gregg Rolie, Bob Marlette)
11. Take Me Away (Gregg Rolie, Bob Marlette)
12. Can't Live Without Love (Gregg Rolie, Kevin Chalfant)

■Personnel
Gregg Rolie - Lead Vocals, Keyboards
Kevin Chalfant - Lead Vocals
Josh Ramos - Lead & Rhythm Guitar, Vocals
Ross Valory - Bass Guitar, Vocals
Steve Smith - Drums

Bret Douglas - Additional Vocals
Tim Pierce - Additional Guitar

Producer - Beau Hill

Storm
Atlantic / Wea
1991-09-17


Dream Zone / On the Rise (2009)

0484Dream Zone









ノルウェーのメロハー・プロジェクトOn the Riseの2ndアルバム。前作はTerje EideとBennech Lyngboeの二人のユニットでしたが、本作はTerje Eide単独の作品となっています。ドラム以外ほとんどのインストパートはTerje Eide自身が担当しており、追加的にクリスチャン・ウルフ、エリック・ラグノがサポートしています。作風・特長は前作と全く変化無く、適度にハードで適度にポップ、メロディは極上、構成はシンプルでコンパクト。ボーカルが一人になってしまい、ハーモニーの厚みとか少し心配でしたが、そんなことを感じさせない素晴らしい仕上がりです。と言うわけでこの2ndも、傑作だった1stに勝るとも劣らない出色のメロハー作品となっています。

全曲が佳曲・名曲と言って差し支えないのですが、特に気に入ったのは、ドラマチックなスピード・チューンの#1"Lifeline"、高揚感が秀逸なタイトル曲#3"Dream Zone"、美しいメロディとハーモニーに心が洗われるようなアコースティック・バラード#4"Edellyn"といったところです。しかしまあ、作曲・歌唱・演奏のほぼ全てを一人でこなしているTerje Eideの才能の凄さには舌を巻きます。ブックレットの写真を見るとガンコなラーメン屋の大将みたいな風貌なので、爽やかで伸び伸びした歌声との落差に少し驚きますが。

On the Rise名義のアルバムは本作で打ち止めとなっており、昨年(2023年)Terje名義での新作 Recalibrate がリリースされています。これも本作と同様に実質的にはTerje Eideのソロ作らしいのでぜひ聴いてみたいと思っています。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
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■Tracks
01. Lifeline (T.Eide, C. Wolff)
02. Lost Your Track (C. Wolff, T. Eide, E. Gronner)
03. Dream Zone (T.Eide)
04. Edellyn (T.Eide)
05. Alive (T.Eide)
06. In the Line of Fire (T.Eide)
07. Get Out of Here (T.Eide)
08. Fly Away (T.Eide, T. Talle)
09. No Time to Lose (T.Eide)
10. Why Wait Another Day (C. Wolff, T. Eide, E. Gronner)
11. Tomorrow Never Dies (T.Eide)
12. Howling at the Moon (T.Eide, Dag Ove Nilsen)
[Bonus Track]
13. Find a Way (E. Gundersen, T.Eide)

■Personnel
Terje Eide - Lead Vocals, All Guitars, Keyboards, Bass, All Background Vocals

Erik Engebretsen - Drums
Christian Wolff - Keyboards & Bass on #1, 2, 7, 10, 12, Lead Guitar on #2, 10, Acoustic Guitars on #10
Eric Ragno - Piano & Keyboards on #1, 3, 4, 11

Producer - Terje Eide

Dream Zone
ON THE RISE
RUBICON
2010-02-17


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