メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。

Strive / Michele Luppi's Heaven (2005)

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いつの間にかWhitesnakeのキーボーディストに収まってしまったミケーレ・ルッピのソロ・プロジェクトMichele Luppi's Heavenの唯一のアルバム。曲は全てミケーレ・ルッピの書き下ろしで、アレンジ、プロデュースも彼自身が行なっています。またバックには数多くのイタリア人ミュージシャンが動員され、レコーディングもイタリア国内という、純イタリア産のアルバムとなっています。全体にスムーズでソフトなメロハー・サウンドで、ミケーレ・ルッピのベルベット・ボイスとよく合っていると感じました。楽曲的には名曲揃いというわけには行かないし、バラード率が高くてややかったるい面もありますが、メロハー楽曲としてまず及第点はクリアしているでしょう。というか、歌が上手すぎてみんないい曲に聴こえてしまうのですが。ロックンロール調の曲に爽やかで高揚感のあるメロディを乗せた#1"Trust"、#7"Stars"は特に好みでした。

このアルバムに参加しているギタリストにちょっと触れておくと、まずメインで弾いているミケーレ・ヴィオーニ ですが、本作のデモ音源作りやKilling Touchでもミケーレ・ルッピをサポートしている人ですね。マウリツィオ・サリエリは1970年代から活躍しているギタリストで、彼のソロ作にはミケーレ・ルッピも参加しています。ロベルト・プリオリはハードロック・バンドDanger Zoneのメンバーで、Los Angelesの2作目Neverlandでも起用されています。アレックス・デ・ロッソは、Perfect World、Vertigo、Shadows Fade、Solnaなどで大活躍している著名ギタリスト。オラフ・トールセン も多くのバンドで活躍していますが、Vision Divineではミケーレ・ルッピとバンドメイトでした。本作ではみな競い合うようにハイテンションで速弾きしまくっていますが、もうちょっと曲に合わせて緩急つけて欲しかったなぁ。

ミケーレ・ルッピが歌うメロハーが聴けるアルバムは、今のところ本作とLos Angelesの2枚、合わせて3枚しかありません。Whitesnakeのキーボード奏者と言っても所詮は脇役。それで終ってしまってはもったいないボーカリストなので、ぜひまた主役を張ってその素晴らしい歌声を聴かせて欲しいと思います。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。 

■Tracks
01. Trust
02. If You Walk Away
03. Feel Alive
04. Always Remember You
05. Tell Me About It
06. Wasting My Time
07. Stars
08. The Castle Inside My Head
09. Time For Love
10. I Found A Way To Pray
All songs written by Michele Luppi

■Personnel
Michele Luppi - All Vocals, Keyboards
Michele Vioni - Guitars
Maurizio Solieri - Lead Guitars on #3
Roberto Priori - Lead Guitars on #4
Alex De Rosso - Lead Guitars on #8
Olaf Thorsen - Lead Guitars on #9
Alberto Bergonzoni - Lead Guitars on #10
Giorgio Terenziani - Bass
Roberto Galli - Bass
Paolo Gialdi - Bass
Helder Stefanini – Drums
Mimmo Camporeale - Organ, Piano
Oleg Smirnoff - Keyboard
Vic Johnson - Blues Harp

Producer - Michele Luppi
 

Last Tiger / Change of Heart (2016)

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イギリスのメロハー・バンド、Change of Heartの4枚目のアルバム。なんと前作から11年ぶりのリリースです。もうあきらめていただけに、ネットで見かけたときは嬉しかったですね。即注文しました。日本盤ライナーノーツによると、バンドは解散状態で本作はリーダーのアラン・クラークのソロ・プロジェクトとして発表される予定でしたが、Escape Musicレーベルの親分カリル・タークからの勧めでChange of Heartの復活作としてレコーディング、リリースされたようです。また、バンド・メンバーとしてクレジットのあるミュージシャンはアルバム完成後に加入したもので、実際のレコーディングはアラン・クラークの他、ゲストとしてクレジットされたポール・ヒューム、ニール・オグデン、サム・オグデン、ジョン・テイラーで行なわれたとのことです。ポール・ヒュームとニール・オグデンはLawless、Demonのメンバーで、ポール・ヒュームは本作のプロデューサーも務めています。

アラン・クラークと言えば、スティーヴ・オーヴァーランドとクリス・ウーズィーを合わせたような声質と歌唱で、明るい歌でも悲しげに聞こえてしまうという稀有な個性が特徴でした。本作はその持ち味を全面に押し出しています。以前あったアメリカン・ロックっぽい曲は無くなり、ほぼ全曲マイナー・キーでスロー~ミドル・テンポという、過剰なまでに「哀愁」にこだわった作品となっています。いや「哀愁」とか「叙情」とかいうレベルを超えて、「悲哀」をまき散らすという感じでしょうか。この重厚さ、湿り気、哀しさは、まさにブリティッシュ・ハードロックの真髄だと強く感じます。バンドもみな上手いです。特にどっしりしたドラムは聴き応えがあります。ギターは現代風というのか、ちょっとピロピロし過ぎな感じで、もっと音数少なく泣きまくってくれたら最高なのですが、まあ贅沢言っても仕方ありません。とにかく、昔ながらのブリティッシュ・ロック好きなら絶対外すことのできないアルバムでしょう。

なお、ボーナストラックの#12"Out In The Cold"はAOR風の佳曲なので、買うならこれが聴ける日本盤をお薦めします。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Rise To The Challenge
02. Wayward Son
03. Roads Of My Life
04. March Of Souls
05. Holy Days
06. Touch Your Soul
07. Hold Onto Love
08. Last Tiger
09. Stone Cold (In Your Eyes)
10. Silent Rage
11. Only Tomorrow
12. Out In The Cold [Japan Bonus Track]

■Personnel
Alan Clark - lead vocals, guitar
Nick Catterick - lead guitar, vocals
John Sykes - keyboards, vocals
Jeff Hopkins - bass, vocals

Paul Hume - all guitars, backing vocals
Sam Ogden - all drums except #11, #12
Neil Ogden - drums #11, #12
John Taylor - all bass, keyboards

Producer - Paul Hume
Executive Producer - Khalil Turk

Secret Love / Crossfade (2011)

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スウェーデンのAORプロジェクトCrossfadeの7年ぶりの2ndアルバムです。参加者は、サポート・メンバーの一部が異なるだけで前作とほとんど変わらず、中心人物のラース・ホールバック(gt)とリチャード・ステンストロム(key)に加え、ペール(dr)&スヴェン(ba)のリンドヴァル兄弟、ヨラン・エドマン(vo)という布陣。いずれも数多くの仕事をこなしてきた腕利きのセッション・ミュージシャンです。曲作りは前作同様ラース・ホールバックとリチャード・ステンストロムが中心となり、それにヨラン・エドマンが加わっているようです。

1曲目のイントロがジョー・ヘンリーっぽく気だるい雰囲気で、おや、今度はそういう趣向かと思わせます。しかし、曲が展開すると結局前作と同様のSteely DanやTOTOをお手本にしたようなAORでした。凝ったアレンジ、神経の行き届いたアンサンブルは相変わらず。派手さは無いものの高い技術とセンスに裏打ちされたプレイ、丁寧で味わい深い歌唱、とにかく全て絶品です。前作に比べポジティヴな明るさをより感じさせるのが本作の特徴でしょうか。筆者としては何度聴いても味わいが増す名作だと思いました。HR/HM要素は皆無ですが、高品質なメロディック・ロックであることは間違いないので、メロハー・ファンが聴いて損することはないでしょう。なお、本作はCDとDVDの2枚組みで発売されていますが、DVDに映像は無くCDと同じ音源がDVD-Audioで収録されています。

蛇足ですが、YouTubeにあったThe making of Secret loveというビデオで、このアルバムのレコーディング風景が紹介されていて、これが中々興味深いです。今はハードディスクに録音しているものと思ったら、オープンリールのテープを使っていたのが意外でした。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. A Wonderful Illusion
02. Secret Love
03. Brave New World
04. Closer To The Fire
05. Don't Ask Me Why
06. Heart Of A Hero
07. Waiting For A Miracle
08. Seconds And Eons
09. Borrowdale
10. In My Mind
11. Borrowdale (Reprise)
Music : Lars Hallbäck, Richard Stenström, Göran Edman
except "Borrowdale"  Lars Hallbäck, Richard Stenström
Lyrics : Eva Olsson

■Personnel
Göran Edman - vocals, backing vocals
Sara Lindvall - backing vocals
Hanna Andersson - backing vocals
Per Lindvall - drums, percussion
Sven Lindvall - bass
Richard Stenström - keyboards
Lars Hallbäck - guitars
Pablo Cepeda - congas, bongos
Wojtek Goral - saxophone
Leif Lindvall - trumpet
Hans Dyvik - Trumpet
Magnus Johansson - Trumpet
Urban Wiborg - trombone
Peter Johansson - trombone
Kalle Moraeus - Violin
Mats Ronander - Harmonica

Producer - Lars Hallbäck, Richard Stenström 



Calm Before The Storm / Dare (1998)

0308Calm Before The Storm










元Thin Lizzyのキーボード奏者ダレン・ウォートンが率いる叙情派メロハーバンドDare、その7年ぶりの復活作となった3rdアルバムです。以前の作品は大手のA&Mから出ていましたが、今回はドイツのメロハー/AORレーベルMTMからのリリースです。ちょっと変な方向に行きかけた2ndアルバムと打って変わって、本作ではバンドの原点である1stの路線に回帰し更に徹底させて、まごうことなき傑作に仕上げていると感じました。Calm Before The Storm=「嵐の前の静けさ」というタイトル通り、緊張感を孕んだ静寂といったものを感じさせる楽曲と演奏が実に見事。冷涼でウエットな空気感、仄かに漂うケルト・ミュージックの香り、ちょっと映画音楽のような曲展開、まさにジャケットのイメージ通りの音です。これこれ、これを待っていたんだよ。全体を通してスロー~ミドル・テンポで曲調も似通っており、普通ならもっとバリエーションが欲しいと感じるところですが、本作に関してはこれが正解だと思います。いや~素晴らしい。名盤決定です!

バンドはダレン・ウォートン以外は全て新メンバーで、アンディ・ムーア(G)、ジュリアン・ガードナー(Ds)、マーティン・ワイルディング(B)がメンバーとしてクレジットされています。新ギタリストのアンディ・ムーア、この人がまた素晴らしい。透明感があって柔らかなトーンがとても魅力的。そして、むせび泣くようなフレーズがダレン・ウォートンのウィスパー・ボイスに絡みつき、聴き手の涙腺を刺激するのです。このバンドの音世界にピッタリ合うギタリストをよく見つけてきましたね~。他にadditional musicianとしてボーカルにスー・クイン、アコースティック・ギターとバック・ボーカルにリチャード・デュース、ドラムスにケヴィン・ホワイトヘッドがクレジットされています。

#9"Still In Love With You"はThin Lizzyの1974年のアルバムNightlifeに収録曲されていた名曲です。もちろん当時のThin Lizzyにダレン・ウォートンは在籍していませんが、古巣のThin Lizzyとフィル・ライノットへの敬意と愛情を込めたカバーでしょう。オリジナルはフィル・ライノットとフランキー・ミラーのデュエットで、リード・ギターはゲスト扱いのゲイリー・ムーア。思えばフィル・ライノットとゲイリー・ムーアは既に鬼籍に入り、フランキー・ミラーは長きに渡る闘病生活を続けています。時の流れを感じてしまいますね。。。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Walk On Water (Lyrics & Music: D. Wharton)
02. Someday (Lyrics & Music: D. Wharton/R. Dews)
03. Calm Before The Storm (Lyrics & Music: D. Wharton)
04. Ashes (Lyrics: D. Wharton  Music: D. Wharton/R. Dews)
05. Crown Of Thorns (Lyrics: D. Wharton  Music: D. Wharton/R. Dews)
06. Silence Of Your Head (Lyrics & Music: D. Wharton)
07. Rising Sun (Lyrics & Music: D. Wharton)
08. Rescue Me (Lyrics: D. Wharton  Music: D. Wharton/R. Dews)
09. Still In Love With You (Lyrics & Music: P. Lynott)
10. Deliverance (Lyrics & Music: D. Wharton)
11. Run To Me [Bonnus Track] (Lyrics & Music: D. Wharton)

■Personnel
Darren Wharton - Vocals, Keyboards
Andrew Moore - Guitars
Julien Gardner - Drums
Martin Wilding - Bass

Sue Quinn - Vocals
Richie Dews - Acoustic Guitar, Backing Vocals
Kevin Whitehead - Drums

Producer - Darren Wharton

We'll Rock You To Hell And Back Again! / Outloud (2009)

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ギリシャ人マルチ・ミュージシャン、ボブ・カティオニス(G & Key)を中心に結成されたOutloud(アウトラウド)の1stアルバム。「メロハー界期待の新星」みたいに宣伝されていましたね。ところが、1曲目とラストの曲はまるっきりパワー・メタル、それ以外の曲はメロディ・ラインはメロハーなんだけど演奏はどう聴いてもメタルそのもの。それもそのはず、ボブ・カティオニスとドラムのマーク・クロスはFirewind出身でメタル畑の人なんですね。メタルからメロハーを聴くようになったリスナーと、クラシックなハードロックやAORからメロハーに入ったリスナーでは感覚が違うかもしれないけど、後者の筆者としてはここまでガシャガシャ、ドカドカ攻めて来られると、うるさいとすら感じちゃうの。メタル寄りのメロハーやメロディック・メタル全般が苦手というわけではないけれど、なんだかこれは聴きづらかったなぁ。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. What I Need (music:B. Katsionis/T. Kash  lyric:T. Kash/C. Mogel)
02. We Run (music:B. Katsionis/T. Kash  lyric:C. Mogel/T. Kash)
03. Tonite (music:B. Katsionis/T. Kash  lyric:T. Kash)
04. Search For Truth (music:B. Katsionis/T. Kash  lyric:T. Kash)
05. This Broken Heart (music:B. Katsionis/T. Kash  lyric:C. Mogel)
06. Breathing Fire (music:B. Katsionis/T. Kash  lyric:C. Mogel/T. Kash)
07. Wild Life (music:B. Katsionis/T. Kash  lyric:T. Kash)
08. Broken Sleep (music:B. Katsionis/T. Kash  lyric:C. Mogel)
09. Out In The Night (music:B. Katsionis/T. Kash  lyric:T. Kash/C. Mogel)
10. Lovesigh (music:B. Katsionis/T. Kash  lyric:C. Mogel)
11. Outloud! (music:B. Katsionis/T. Kash  lyric:C. Mogel/T. Kash)
12. We Run [Video Clip]

■Personnel
Chandler Mogel - Vocals
Bob Katsionis - Lead Guitar, Keyboards
Tony Kash - Rhythm Guitar
Jason Mercury - Bass
Mark Cross - Drums

Producer - Bob Katsionis

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